NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
22.09.2020
新型コロナ禍にも拘らずワイン輸出増大

ニュージーランドのワイン輸出はコロナ禍の中にも関わらず継続しての増大傾向だ。自宅での飲酒とオンライン販売が需要に拍車をかけている。ニュージーランドワイン生産者協会の最新のワイン輸出額によると、6月30日末現在で、これまでの記録更新となる19.2億ドルで、昨年度比で6%の伸びを示している。アメリカとイギリスが昨年に引き続きニュージーランドの最大輸出国だ。

業界からの声をまとめてみよう。

  • ペルノ・リカール・ワインメーカー:デビッド・マーシャドー戦略・革新部長
    消費者行動への急速な変化が特に顕著だ。自宅でのアルコール消費と家庭料理の「再発見」が継続して業界に良い影響を与えてきた。コロナ禍の影響は輸出市場により様々な影響があり、輸入国側の政府が持つ健康への危機に対する方針の違いによる。例えばインドとタイでは暫定的なアルコール販売禁止令が敷かれた。一方、ヨーロッパの主要市場では自宅消費とオンライン販売が増加した。
  • コノ・ワインズ:ダン・テイラー輸出販売部長
    世界的に見てコロナ禍の状況は変化していて、予測が立たないが、当社は輸出傾向に変化があった。例えばアメリカ向けの輸出では、当社の既存の著名ブランド(例えば、トフやコヌ)はオンライン、小売り共に順調だ。一方ベトナムやシンガポール市場では、これまでレストランやホテルを中心に販売をしていたため、ホスピタリティ関連業界が滞っている現状から、ワイン販売も伸び悩んでいる。こういった市場ではパートナー会社と新たな販売モデル開拓をし、消費者へ直結する販売網を構築中だ。
  • イーランズ・ワイン・グループ:ティファニ・グレイドン最高経営責任者
    コロナ禍が世界的な規模となった当初は消費者習慣への劇的な変化があり、困難な時期だった。その後4-6週間を経過して分かったことは、当社は多くの新たなビジネスチャンスを掴んだということだった。世界全体が急速な速度で変化を遂げているということを鑑みても正直言って、びっくりした。これまでのニュージーランドワインの名声や購入しやすい価格ということもあり、ニュージーランドワインは市場を発掘しやすい、理想的なポジションにいると感じる。
  • ニュージーランド・ワイン生産者協会:ジョン・クラーク会長
    コロナにワイナリーは市場に向けられた課題にダイナミックな反応をした。一部のワイナリーはこの課題を消費者向け販売やオンライン販売に集中することになったり、その反面、大型ワイナリーは大型小売ネットワークに意識を集中し、販売量増加に努めた。2020年のワイン収穫の大半はニュージーランドが最も高いレベル4のロックダウンの期間中に行われた。この究極の状態でも非常に素晴らしい収穫となった。今年のマールボロのブドウの収穫量は昨年よりほぼ4万トンも多い343,036トンだった。ニュージーランド全体のブドウの収穫量は457,000トンだ。

今年収穫されたブドウに特化する2020年のマールボロ・ワイン・ショーの出品申請は9月18日迄。同ショーの責任者のマーカス・ピッケンズ氏は、「2020年は業界には容易な年ではなかったが、ショーでは歴史上最大の出来事を生き延びてきたということを祝す最高の機会となるだろう。ワイン業界がコロナ禍にどう反応してきたかを非常に誇りに思っており、このショーを通してそれを祝うのが楽しみだ。」

マールボロー・ワイン・ショーの判定は10月14日に行われる。
ショーに訪れるための情報はこちらから:http://www.marlboroughwineshow.co.nz

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