NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
13.07.2020
ワイン業界 次の収穫時には熟練労働者不足の危惧

時期収穫時は熟練労働者数の不足が懸念されているワイン業界では、コロナ後の状況の改善が見込めない場合はニュージーランド人のスキルアップは必須だと既に稀有し始めている。
醸造家、現場マネージャー、醸造補助などの熟練労働者はマールボロでは年間を通じて数か月ほどしか必要でないため、ワイン関連従事者は収穫期と収穫期の間は世界中での営業活動などをしている。

しかし昨今の新型コロナウィルス感染症での移動制限のために、時期収穫時に十分な数の労働者を確保できる保証は今の所ない。
例年マールボロ地域では少なく見積もっても400名の収穫労働者が必須スキルビザを受給されて来ていたとワイン・マールボロのマーカス・ピケンズ部長は推定する。「今のところ、不確定要素が多くある。ニュージーランド移民局と社会開発省の労働所得庁と出来るだけの協力体制をとるつもりではいる。どの分野でも移民労働者は労働市場試験に合格しなくてはならないので、非常に敷居が高くなるだろう」とピケンズ氏は言う。労働市場試験とは、公募された職種にニュージーランド人がつけるかを計るものだ。

また、ピケンズ氏は、「いずれにしてもワイン業界では国内のニュージーランド人労働者を引き入れる方策を取って行かなくてはならない。これまでもニュージーランド人の応募者を断ったことはないが、こういった専門職に就くにはニュージーランド人の職務訓練が必須で、外国からの労働者が見込めない時期にはかなりの負担になるだろう」と言う。

ワイラウ・リヴァー・ワインズの運営マネージャーのニック・エントウィスル氏は、「2020年の収穫時では9人のうち4人が海外からの労働者だった。国内の大学やネルソン・マルボロ―インスティチュート・オブ・テクノロジー(NMIT)からの学生が実践研修のために来ることもあり、それは双方に都合がいい。ヨーロッパからの労働者は実践経験を積んでいる人が多く、中には家族がワイナリー所有している人も多い。うちで働く労働者の一人にも海外でのワイン作りの経験を積んだ人がニュージーランドへ戻ってきた。そういう人材はうちのような小規模なワイナリーでは非常に重宝だ。こういう人達はワイン作りのシステムを理解しているし、初めてワイン業界で働きたいという人二人分の働きをしてくれる。今後はニュージーランド人の技能向上が重要となるだろう。これからの一年は誰もが不安を多少なりとも持っていると思う。今年の新型ウィルスからの状況は国内での技能労働者の必要性を痛感させることだった。ワイン業界が今後も成長するには必須の条件だ。訓練期間も必要なので、今年は通常より2か月ほど早い採用を検討している。2ヶ月の準備期間はこれまで全く収穫経験がなかった人達を試行錯誤の時間も含み、6週間の厳しい労働をこなすのに必要だ。NMITが提供するニュージーランド・セラー運用のコースなども役立つと思う。こういったコースを受講した人達はセラーハンドとしての仕事を開始する出発点に立つことができるだろう」と言う。

NMITではコロナ禍以降、園芸やブドウ学の勉強を希望するニュージーランド人応募者数が増加してきていると言う。NMIT のブドウ栽培、ワイン醸造、園芸のプログラム主任をするパム・ウッドは「当校のブドウ栽培・ワイン醸造学士コースは今年初めて、年間3回目の入学生を迎えたが、自粛期間中に特に数多くの問い合わせを受けるようになった。コロナ禍のロックダウンでロンドンからニュージーランドに戻ってこられないシェフも当校のオンラインの受講生として5月から勉強開始している」と語る。

教育省では3億2000万ドル相当の特定訓練・インターンシップ基金を最近発表したばかりだ。NMIT のコースの一部もこの基金からの助成金を受けており、その中にはニュージーランド園芸生産認定コースとニュージーランド・醸造運営コースも含まれている。

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