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「フレイバー・ホイール」がワインをわかり易く、あてずっぽうのワイン選びでなく、味で選択するのをお手伝い……AIを搭載したツールが、お手元のコンピュータのスクリーン上であなたの嗜好に合うテースティング・ガイドを提供し、ビール、ワインやその他のアルコール飲料を一番お好みに近いものを選択するお手伝いをするという。
「フレイバー・ホイール」はワイン販売の大手のファイン・ワイン・デリバリーの画期的なシステムだ。機能の一つが顧客がオンラインで自分好みのワインを見つける手伝いだ。顧客の嗜好を鑑定し、これまで飲んだことのないワインも探し当て、顧客自身をワインのエキスパーにしてくれるものだ。
同社のワイン専門家が23年以上かけて蓄積した何万ものテースティング・ノートから顧客の好みの味と合致するものを探し出すというしくみだ。顧客がすることは、自分達が好む味わいをインターネット上でクリックするだけで、後はソフトウェアがそれに見合うワイン(ビールとその他のアルコール類)を選んでくれると言う訳だ。
ワイン探しをした事がある人だったら、実際に存在するワインの種類だけでも圧倒されてしまう経験があるだろう。ファイン・ワイン・デリバリーの2店舗だけでも、常時2000本のワインがあり、ワイン選びに当惑する顧客は当然存在する。
ワイン通の人だってもちろん迷うこともある。同社の販売責任者のトレーシー・ハウズ氏は、「受賞ワインはいつも人気があり、売れ行きもいい。でも受賞したからって、それがその人にピッタリのワインだろうか?もしかすると深みあるタイプのワインを好む顧客が選んだ数々の受賞した世界的有名なワインは、どちらかというとミネラル感のあるワインかもしれない。受賞ワインは世界レベルで最良のものかもしれないが、それがその顧客にとってのベストワインだろうか?そこでフレイバー・ホイールがそれぞれの人の好きなものを認識し、せっかく購入したワインなのに、自分の好みとは合致しないで失望するリスク軽減のお手伝いとなる。またワインを楽しんだけれど、それについて表現することに苦労をしている人もいる。そういう人達に、そのワインの何が気に入ったかを尋ねると、『わからない。ただ、良かった、かな』としか言わない人達も大勢いる。」
ワイン試飲記事や印象を読んだり、聞いたりすると、ワイン専門家や業界用語が複雑でバラ色で飾り立てられたような表現を使っているという印象を受けるだろう。クラフトビールや醸造酒でさえ最近は種々雑多なフレイバーがトレンドとなり、その表現方法も同様に複雑化していることにハウズ氏は触れている。「わが社では、『あなたも専門家』という標語を使っている。つまり、最新の技術革新を駆使し、消費者のお手伝いをすることが私達の目標だ」とのこと。
その仕組みはこうだ。顧客がフレイバー・ホイールをオンラインで見る。例えばシャドネーを例に取ってみよう。まずシャドネーの味プロファイルをクリックする。そこには、「ピーチとバニラ」とか「シトラスとミネラル」という表現から、また別の項目では「クリーミーでバターのような」とか「樽熟成のあり、なし」というような表現までいろいろある。
顧客が自分の好みの味を入力すると、後は AI にお任せ。顧客の好きそうな製品リストを20ページにも渡って出してくれる。
「アルゴリズムではないし、私達や誰かが『あなたはこれが好きなはずです』と言っているわけではない。私達の蓄積してきたテースティング・ノートを基にし、顧客が好きなワインを選択する手助けをしているのだ。」
オンライン上のフレイバー・ホイールは、同社の最新の技術力を結集したものだ。この作業は同社が業界最初のインターアクティブはホームページを開始した1998年から始まったものだ。
このホームページは13回目のアップデートを経てきた。AIを使い大量のテイスティング・ノートをホームぺージ上の「スマート・サーチ」検索エンジンで顧客が使ってワインを探すことから始まった。その後のチャット機能を使った改訂版は、自分がどんなワインが好きかをまだよく把握していないような顧客のために設計された。
こういった変遷を経て、同社はフレイバー・ホイールを2店舗で導入した。タッチスクリーンで顧客が好みを入力すると、一ページ毎に3つの製品が現れる仕組みだ。フレイバー・ホイールは現在オンライン版もあり、顧客が自分のワイン知識を高め、自分が何を好むかを正確に知ることが出来るようにより汎用したしくみとなっている。
「この仕組みは、顧客の人が、これがいいと人から押し付けられるのではなく、その人それぞれが本当に好きなものを探せるような手助けの一案だ。」という。
次の今後発表予定の段階としては、フレイバー・ホイールをもっと個人別に特化したものだ。「未来のフレイバー・ホイールはこれまでの顧客の購買経験を蓄積し、例えば、購買ワインの種類はピノ・ノワール60%、シャルドネ20%、ジン10%、ビール10%で、タイプ別、味別の消費ワインを提示するようなものだ。ファイン・ワイン・デリバリーでは技術を重要分野として捉えており、これが引き金となりワイン業界でのオンライン部門で画期的な伸びを示した。ワイン業界ではオンライン販売は平均5パーセントだが、弊社ではAI導入前が42%で、現在は60%にまで達している。」
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