NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
27.01.2013
世界的なワイン不足はニュージーランドのワイン醸造者には良い兆候

スペイン、イタリア、フランス、アメリカ、アルゼンチン、チリなどの主要ワイン生産国ではこのところかなり深刻な葡萄収穫量の低迷に直面している。これを受け、世界的な金融、マーケット情報を発信するブルームバーク社は昨年の収穫不足で13億ボトルにも及ぶ世界的ワイン不足となるのは明らかだと報告している。

「昨今のワイン不足がニュージーランドのワイナリーの収益増大に繋がる影響力になりえる」とニュージーランド・ワイン・グローワーズ会員でワイン・マールボロ会長のドミニック・ペッチェニーノ氏は予想している。「ワイン不足は、高級ワインを含めたニュージーランド産ワインのどの価格帯でも見受けられる。この状況はニュージーランドのワイナリーが価格上昇するいい機会になるであろう。加えて、これまで進出していなかった市場への参入や、市場拡大のいいチャンスともなり得る」同氏は語る。

国内の葡萄収穫量は2011年に比べて6万トン減少し、これは販売可能なワイン量換算では例年より4600リットル減となった。過去4年にわたる、供給過多から脱却し、このワイン不足は、需要と供給のバランスを逆転し、葡萄栽培者やワイン製造者にはいいビジネスチャンスとなるのでは、とニュージーランドのワイン業界の専門家たちはささやいている。

事実、過去4年で全世界的な財政危機に直面を受けた市場と2008年の豊作から供給過多からの転機となり、昨年と比べ葡萄価格の上昇も見られている。

セイント・クレア・ファミリー・エステートを所有するニール・イッボトソン氏は、世界的ワイン不足がワイン会社に利益をもたらすと確信するのは時期早、としている。しかし、現実のところ、彼自身は国内市場と輸出向けの自社ワイン価格を平均で5%上昇させたとも語っている。「まだ世界的なワイン不足の利を実際に感じてはいないが、現在の状況から見て、ニュージーランドには非常にいい兆候となっている」。

これは言い換えると、ワイン消費者にとっては、お気に入りのワインを、昨今入手していたようなお買い得価格で購入できないかもしれないことも示唆している。

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