NZワインニュース一覧
オーストラリアのワイン業界はニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランへ辛辣なコメントを投げ始めている。ワイン・オーストラリア(オーストラリアのワイン振興団体)は「オーストラリア・デー(1月26日)には『タスマン海の向こう側のソーヴィニヨン・ブランより自国のワインを』と自国のワイン愛好家に呼びかけ始め、その週末のシドニー・モーニング・ヘラルド紙は絶大な人気を誇るニュージーランド・ワインを中傷するような特集記事まで掲載するに至っている。
例えば、ニューサウス・ウェールズのハンター・バレーで家族経営の葡萄畑を経営しNSWワイン・ストラタジーの元会長のジェームス・アグニュー氏は、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは『ファースト・フードのワイン』とまで称している。「世界中のどこにでもあるファースト・フード店で注文すれば、出てくるものの味はファースト・フードだ。」と超辛口のコメント。
PRエージンシーのリキッド・アイディア社を経営するグレゴール氏はニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランを「一発屋」と表現している。同氏は一時期マールボロのモンタナとスタニーリーのワイン宣伝の担当までしていた人物だ。その他にもニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランは「一元的」で「個性がない」「小物」だとの評価があったことをシドニー・モーニング・ヘラルド紙の特集記事は述べている。
しかしながら、こういったオーストラリア人のコメントはごく希なものとして捉えるべきで、その証拠に、2009年にはニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランがオーストラリアで一番売れていた白ワインのシャルドネーの一位の座を獲得し、現在はオーストラリアで販売される白ワインの39%をニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランが占めている。さらには、ソーヴィニヨン・ブランのベストセラー20のうち17がニュージーランド産で残りの3のみがオーストラリア産である。
そんな中、ニュージーランドワインの攻勢に立ち向かうために、ワイン・オーストラリアは昨年から「オージー・ワイン・ウィーク」を開始し、毎年4月は地元のワインブランドを飲む月にしようと、オーストラリア人の消費者を刺激し始めている。
ニュージーランド・ワインの最高責任者のフィリップ・グリーガン氏はこれに対し、「オーストラリア人はそんな月間とは関係なく、ニュージーランド産ワインを楽しむことは間違いない。ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは過去20年の間、驚くべき成功を収めてきた。その成功の秘訣はもちろん、格段の味、明確な特徴を持っているからである。一部のオーストラリアのワイン業界からの否定的な意見はただ単に残念としかいいようがない」と言う。
「この記事には明らかにこれまでオーストラリアのワイン業界、消費者やその他の国々の人々から受けた印象とは全く異なっている。ニュージーランド産のワインは優れた味で高い評価を受けてきている。この事実と相反することを言う人たちの理由がわからないね。恐らく、業界の嫉妬心からかね。」と、これまでの中傷に対してのコメントを述べた。同氏はオーストラリアのみならずニュージーランド産のワインの需要はこれからも伸び続け、さらには中国やイギリス以外のヨーロッパ諸国などがニュージーランド産のワインは新たな市場として成長するであろうとの肯定的な予想をしている。
「世界各地でのニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランの需要が現実を一番よく表している。マールボロ産のソーヴィニヨン・ブランをこよなく愛する人たちが気変わりするような兆候は、全く現われていない。」と自信をもってインタビューを終えた。
関連のあるニュース