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人間には暖かく、雨の少ない素晴らしい夏ではあったが、羊牧場では日照りで続きの散々な夏となってしまった。しかし、ワインの方では全く逆。
ニュージーランドワイン生産者協会会長のフィリップ・グレガン氏は「葡萄の栽培には完璧な夏。当初、葡萄過剰の可能性を懸念していたが、秋に入ってからも日中には暖かなで夜にはやや低めの温度となり、葡萄育成地域では素晴らしい収穫となる兆候がある」と称している。同様の楽観的なコメントは葡萄栽培業者たちからも出ている。「天気の状況など複数の要因構成から判断しても、2013年は『歴史始まって以来の収穫』として語り継がれ理想的な年になりそうだ。この夏の真っ青な空の元で葡萄は完璧に熟成出来た上に、夜の冷気が酸性を維持し、最終的には旱魃時には通常見られないような活気をワインに与えることが出来る」エスク・ヴァレーのワイン醸造家のゴードン・ラッセル氏は解説する。
クラギー・レンジの主任ワイン醸造家のマット・スタフォード氏も同様の好調な収穫を期待しており「まだこれからの天候の変化もあるので、断定は出来ないが、今年の収穫が、最高、最大となるか、あるいはどういう形容詞を使うにしても、今年以上の好収穫になったら、また違う言葉を作り出さなければいけないほどの出来だ。市場では今年の葡萄がどういう形になるのかへの期待度はかなり高い」と言う。
2013年の収穫への高い期待度には、ワイン関連の著書が多数あるマシュー・ジュークスとタイソン・ステルツアー両者著の「ニュージーランドの偉大なピノ・ノワールの分類(6版)」が発端となっている。この本はニュージーランド内の484あるピノ・ノワール生産者のうち「記録破りの」120のワイナリーを特集し、そのうち分類には23のワイナリーが初めて加わっている。その中にはリッポン・ヴィンヤード、アタ・ランギ、ベル・ヒル、フェルトン・ロード、マウント・ディフィカルティが最高の5星の範疇に入っている。
ジュークス氏は「過去12年で、ニュージーランド産のピノ・ノワールがどの価格帯でもこれほどの劇的な品質の向上を見たことがない。この貢献要因は単に葡萄の出来だけでなく、ニュージーランドのユニークな性質をこれほどまで上手く表現したワインを作った葡萄栽培者とワイン醸造家たちの感性を褒め称えたい。これほどまでにニュージランド産ピノ・ノワールの味を引き立てて、明確に表現された年はなかった」と褒め称える。
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