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1983年に発足したニュージーランド有機産物生産者・消費者協会(NZBPCS)下の非営利組織でオーガニック認定組織のバイオ・グロは今年で30周年を迎える。同組織はニュージーランドにおける有機栽培市場を形成してきた。バイオ・グロの第一の目的は生産者と消費者保護の観点から、信用できる国際的な有機食材基準と認定工程を開発・維持することである。同組織はニュージーランドに多岐にわたり存在するユニークな生産者のために基準設定を開始し、有機栽培品種が広範囲に成長するにつれ、新たな需要に応じその基準も作り続けてきている。最近ではニュージーランドでは最初となる健康食品、ボディ・ケア製品の基準作成もしている。同機関は国内最大の有機製品認定機関として、現在国内と太平洋地域で650社の生産者と1000以上の認定作業を行っている。
バイオ・グロの国際的な評判は、発足当時から高く、独自監査で国際的に有機認定された食材基準に見合うと判断されたものしか輸入しない国への輸出許可を出す7つの世界的な機関の認定も受けている。ニュージーランドからの認定を受けた製品の輸入と国内販売を合わせたニュージーランドのオーガニック市場は現在3億500万ドルの規模に達していると言われている。
有機ブドウ栽培関連の伸びは特に際立っており、2012年の資料では全ブドウ栽培量の7.6%にあたる100以上のブドウ栽培者が有機栽培をしている。有機ブドウ栽培者協会・ニュージーランドでは、2020年までの、20%以上が有機ブドウ栽培になるとしている。中でも有機園芸でブドウが一番の急速な成長率を示しており、2009年から2012年の間に、全耕地面積(ブドウを含む)が37%上昇し、11,188ヘクタールにまで増えた、としている。さらに、昨今の成長株にはボディ・ケア製品があり、消費者が口から体に入るもの以外にも、体につける製品にも関心が高まっていると、バイオ・グロは報告している。
オール・グッド・オーガニックはフェア・トレードの有機ドリンクを昨年から販売し始めた。創始者のひとり、サイモン・コーリー氏は「国内のカフェ、レストラン、バーからかなりの反響と手ごたえがあり、既にオーストラリアやマカオでの販売を開始している。顧客からもオーガニック製品を応援したい、という強い印象を受けている。倫理的な購買をしたいという顧客が増加してきて、有機認定があり、明確な動機と正当性あるストーリーを掲げ、環境への配慮を掲げる弊社の製品に顧客の関心は非常に高い」と語る。消費者の需要と合致した有機食材生産が増加するにつれ、有機認定を受けた小売業者も増加している。
遺伝子組み換え作物にはバイオ・グロが強く反対している。「遺伝子組み換え食品の効能については様々な視点と主張が存在するが、それを証明する信ぴょう性のある研究がなされていない。遺伝子マッピングや遺伝子マーカーを使用した安全な通常の現代技術植物育種選定法は依然として遺伝子組み換え技術より高い収穫量、干ばつ、害虫、疫病に強い作物を作り出し、現在そして今後の食糧ニーズに応えることができる。消費者が必要としなければ遺伝子組み換えは必要ないばかりか、遺伝子組み換えをした品はそれをラベルに明記すべきである」と言う。
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