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「ホークス・ベイと言えばワイン、と思い浮かぶのに、ホークス・ベイ地域のロゴから『ワイン・カントリー』という言葉が消滅してしまうのは非常に不思議な現象だ」と言うのは、ホークス・ベイのワイン業界で主要投資家でもあり、ヴィラ・マリア創始者のジョージ・フィストニッチ卿。
同氏は、「ホークス・ベイは面白い土地だが、特徴に欠けるところだった。素晴らしいレストラン、釣り場、その他いろいろある。それでも、オークランドの人はワイン・カントリーというとソーヴェニオン・ブランのお蔭でマールボロをすぐ思い浮かべてしまうが、ホークス・ベイはもっと素晴らしいものを提供することが出来る。ワイン・ビジネスと観光は切り離すことができない。例えば、オーストラリアのバロッサ、ハンター、ヤラ,カリフォルニアのナパバレーなどは、どこもワイン・ツーリズムが盛んな所だ。ワインは、旅行可能な人であれば、あらゆる年代層の興味対象となり得る。フランスのボルドーに旅行する人はワイン業界を見に行くのであり、ホークス・ベイからワイン・カントリーのロゴをなくなしてしまうのは、全く信じられない。どうしてこのロゴを捨ててしまうのか、理解に苦しむ」とかなり強い口調で反対を唱えている。
「ワイン・カントリーという言葉は、営業用のキャッチ・コピーとして頻繁に使われている。ホークス・ベイ・ワイン・カントリー協会がしかり。この団体はヴェンチャー・ホークス・ベイ観光局とホークス・ベイ観光局が合併し、双方合わせてのホークス・ベイ観光局を作り上げた。まだホークス・ベイ・ワイン・カントリーという名称を使う人がいても構わないが、私たちは”ホークス・ベイに行こう”と言うキャッチ・コピーを使用している」とホークス・ベイ観光局の局長を務める、アニー・ドゥンダス氏は言う。
前サーチ・アンド・サーチ社の取締役で、現在ホークス・ベイ地方を中心で、ブランド作りの天才として知られるキム・ウィックスティード氏は「ワイン・カントリーと言う名称を使用しないのは残念なことだ。経済発展の観点からすると、有名になるには何かを作り上げなくてはならない。他者との差別化をし、ホークス・ベイと言えばこれ、と言うものである。他の所との違いを際立たせるようなキャラクターの所有権を主張できるワイン・カントリーというフレーズを失くしてしまうのは悲しい。ニュージーランドでは、同じ呼称を使いたがったところが何ヵ所かあったが、ホークス・ベイがワイン・カントリーと言うキャッチを前面にしたキャンペーンを打ち出したとき、みんな、『なんて賢いことをしたんだ』、と拍手喝采だった。ワイン・カントリーで有名でないところが、世界中であったら教えてもらいたいね」と語る。
しかし、ブランドがすっかり絶滅したわけではない。ホークス・ベイ空港のターミナルの西側にまだその名残が飾ってある。「空港にまだある、というのは嬉しいことだ」とウィックスティード氏は言う。
ホークス・ベイ空港の取締役、ニック・ストリー氏曰く「この看板は空港ターミナルが2003年に再開発された時に取り付けられてもので、今後化粧直しもしていく。しかし、もしこれが、この土地を表す言葉として相応しくなくなってしまったら、もちろん内容の変更も検討する」。
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