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今年の夏はエルニーニョに備え十分な準備をするように、とマールボロ地方のワインの醸造者たちは警告を受けた。ブレナムのマールボロ研究センターの講堂は約100名のブドウ醸造者たちで満席となった。今後数ヶ月間でエルニーニョの到来が予測されるため、その対策を講じるべく関係者の気象への興味の高さを示している。これからの半年は、ワイン醸造者にはかなり深刻な状況となっている。
当日のプレゼンテーションでは、土壌の湿度を観測し、ブドウの実の成長管理、さらに水資源の保護などに留意する様に、とのアドバイスがなされた。植物食品研究所の研究員のロブ・アグニュー氏によると、「ニュージーランド国立大気水圏研究所 (NIWA)で観測された天候条件は前回1997-98年に観測されたエルニーニョと似ている。1972-73年、1997-98年のエルニーニョ現象は、非常に乾燥した夏をもたらし、そのためにも、ブドウ畑関係者は万が一の場合に備えておく必要がある。マールボロの過去8週間の降水量は少なかったため、今年の夏もこの傾向が続く可能性が高い。エルニーニョ現象は、偏西風の風を伴い、平均以下の気温になる傾向がある。マールボロ地域では、10月は平均を上回る気温だった。10月31日までに、361.4ミリの降水量を観測し、これは86年の観測史上、最低の降水量だった。1969年の1月から10月までの降水量は観測史上最低の305.1ミリであった。ワイン醸造者は節水対策に関し、高い関心があり、関係者各位はどのように水の節約をし、節水規制の準備をするかを講じる必要がある」とアグニュー氏は語った。
マールボロ地方議会の水資源専門の地質学者のヴァル・ワズワース氏によると、「ワイラウ川からの水はまだ最低量域にまで達していない。ワイラウ川の水量やや低めではあるが、もしNIWAの予想が当たれば、ワイン醸造者たちにとって水節減は必須のものとなるだろう。昨年のこの時期は、現在の水量より少なかったが、その後の大量な降水で状況が変化した。例えて言えば、穴の空いた自転車のタイヤのような状況だ。ポンプで水を追加する必要があったり、大洪水があってタンクが一度いっぱいになったりして、自然の力が大きく左右する」マールボロ全域が同様にエルニーニョの影響を受けるわけではない。1997-98年のワイラウ川の水量は非常に低かったが、水を止めるまでには至らなかった。今年の夏はブドウにはいい夏になりそうだが、最悪の事態に備え、できるだけのことをしておくことしか出来ない。」
シレーニ・エステートのブドウ栽培家のスティーブン・ブラッドレイ氏は「昨年同様の収穫が見込まれてはいるが、昨年と比べ、やや涼しく、乾燥した天候となっているため、ワイン醸造家たちは少量の水消費でブドウの管理をしなくてはいけない。今年の春は、寒く、霜もあったが、ブドウが熟すクリスマスの時期(夏)はもっと気温が上がるとの予報となっている。しかし、熟成時には水の助けが必要となる」とのコメントを提示している。
フルイション・サービスのブドウ栽培のコンサルタントにジム・メルセール氏に言わせると、「どうこう言っても、いつ水節約宣言が出されるかにかかっている。もし、収穫時近くの1月の初旬に灌漑用の水の供給が止まっても、さほど深刻にはならない。」
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