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先日、マールボロ展示センターでやや趣きの異なるワイン試飲会が開催された。通常の試飲会と異なるのは、ワインそのものより、形状やデザインの異なるワイングラスと味覚の関係に注意を注ぎ、次世代のトップ・ソーヴィニヨン・ブラン専用のワイングラスをトーナメント制で競うというもの。
主催はリーデル・オーストラリアで、本社は、オーストリアで260年以上も前に設立された家族経営の会社。このイベントはこれまで使われてきたソーヴィニヨン・ブラン用のグラスが時代を経た現在に見合う、新しいグラスの開発のために企画された。試飲会の参加者の前には、見慣れたオリジナル・グラスを含むグラスとこのイベントのために開発された17つのグラスが使われた。参加者はそれぞれのグラスで一番いいワイングラスをトーナメント方式で選出した。
4種類のマールボロ産のワインで試された後、最高峰に選ばれたのは、リデル社がもともとクロアチアのマルヴァジーヤ種の白ワイン用にと特別デザインしたワイングラスだった。リデル・オーストラリアの取締役、マーク・ボールダーストン氏曰く「リデル・マルヴァジーヤ・イストリアナグラスに微調整を加え、現在のヴェリタス・シリーズにはないものをソーヴィニヨン・ブランに作成することが出来る。ワイングラスは、例えて言うとスピーカーのようなもので、ワインの中のフレーバーやアロマを助長する。ワイン醸造家の仕事は、ボトルにキャップをしたときで終了する。アロマが味覚を引き出すので、その後、商品のアロマをいかに引き出すかが私たちの仕事だ。」と語る。
フロム・ワイナリーのワイン醸造家のハッシュ・カルベレー氏は20年前に現在定番となっているソーヴィニヨン・ブランのグラス開発のヒントとなったリデルが開催したマールボロの試飲会に参加していた。「その時にリデル社が開発したオリジナルグラスは、先週のグラス選びの試飲会で2位となった、オリジナルのソーヴィニヨン・ブランのグラスは現在もいいグラスだ。マールボロのソーヴィニヨン・ブランのスタイルは、その後変化し、この昔ながらのワイングラスも、未だに素晴らしいが、一位に輝いたグラスは新しい世代のソーヴィニヨン・ブランの成熟度とミネラルさを捕らえるのに優れていた。ワイングラスは、ワインを飲む体験を助長するものである。いいグラスは、ワインをより良く提示することが可能だが、その反対に悪いグラスは、非常にいいワインを、そこそこのワインにまで引き落とすことも可能だ。ワインの形、高さ、グラス内の空域の流れが、アロマを伝えるか決定し、消費者が正しくワインの香りをかぐことが出来れば、ワインを飲む体験も素晴らしいものになる」と語る。
とは言うものの、ワインの質は、グラスだけに左右されるのではない。ワインを注ぐときは、グラスの一番広い部分より上まで注ぐのはご法度。というのは、アルコールとオークのアロマがグラスの上部のフローラルでフルーティなアロマや中心部のミネラルと土の香りを消してしまうからである。
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