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最近開催されたニュージーランド・ワイン醸造者協会主催のアロマティック・シンポジウムの期間中の講演、「代替案としての小規模栽培」のマスタークラスで、ギズボーンのクーパーズ・クリークにおけるワイン・メーカー、サイモン・ヌン氏は「スペインやポルトガルのごく限られた土地で育つ、アルバリーニョ種のブドウには高い期待を持っている。この品種のワインは、太陽、砂、シーフード、ホリデーを連想させる塩分と柔らかさを持っており、量的には少ないがニュージーランドを代表とするソーヴィニヨン・ブランの次となる魅力がある。ニュージーランドの天候、生活様式、食物文化などとアルバリーニョは合致点が多数ある、との理解が既に存在している。」と述べた。
クーパーズ・クリークでは2009年から最初のアルバリーニョの栽培を開始し、2011には収穫を完了している。他にも国内で数社がアルバリーニョを試験的に栽培している。
ブドウ栽培の見地からすると、アルバリーニョは疫病に抵抗力があり、他のブドウのように粉っぽい白カビが付きにくく、ワイン・メーカーたちからは歓迎される要素を持っている。ソーヴィニヨン・ブランに比べると、そこまでの高品質とまでは行かないが、ソフトな感じを与える種類のワインができる。
投資や国の農産物輸入に関する厳しい法律などを実際的に考慮すると、通常ニュージーランドでは新種にすぐ飛びつくことはしない。現在スペインとポルトガルを原産地とする5種類のアルバリーニョ種の分け枝がニュージーランドで入手可能。
ヌン氏は「ニュージーランドでは、非常に輸入が厳しいため質の悪い真菌系のものがいないのは、幸運なことだ。その反面、国内に新種を持ち込むのは困難伴うことになる。何か欲しい思うと、とことん追求しなくてはならないし、新しいワインを造ろうとすると、10年の単位で考えなくてはいけない。経済的にこれを正当化するのはなかなか難しい」と語る。
ニュージーランドでのアルバリーニョの可能性について、同氏は、「ネルソンやギズボーンとより、アルバリーニョの産地として著名な雨の多いスペインのリアスバイシャスは非常に降雨量が多いので、雨にも強いアルバリーニョは、ニュージーランドでの栽培は問題がない」と語る。
ネルソンのノイドルフ・ワインのワイン・メーカーであるトッド・スティーブン氏は「ニュージーランドでは、1~2種類の白ワインしか存在しない、とは思われたくない」と同ワイナリーで100%栽培された、アルバリーニョ種のワイン作りを開始した。
ノイドルフ・ワインのオーナーのティム・フィン氏は、「アルバリーニョは、シーフード向けのワインだ。ネルソンは太平洋地域では、最大のシーフードの港でもあり、過去3年間でのアルバリーニョ種のブドウからのワインの業績には非常に満足もしており、かつ毎年が勉強の連続となっている。」という。
まだ出回り始めたばかりの新種ワインだが、下馬評は早くも高まっている。マールボロのブドウ栽培家のマイケル・コリンズ氏は、「この数年の収穫は成功している。オルタナティブと成り得るもので、人気もすぐ出るだろう。ブドウ栽培の観点からすると、ピノ・ノワールと同様収穫量が少なく、専念することが必要だ。ソーヴィニヨン・ブランの第2弾として、アルバリーニョのフレシュさ、酸味とフルーティさが受けると思う。グラスからジャンプしてくるような味わいがあり、そんな経験はなかなか他のブドウでは感じられない。今後は探求の旅となるだろう」と述べる。
また、テ・アワとレフトフィールドのワイン・メーカーのリチャード・パインター氏は「ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールを超えることはないが、アルバリーニョの可能性は多大だ」と締めくくった。
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