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昨今の暖かな気候はニュージーランドの水力発電へも潜在的効果があり、気候変動がもたす珍しい良いニュースともなり得るかも知れない。既に水力発電で、国の電力使用量の半分を賄っており、エネルギーを再生可能源から80%供給している。
南島では、ワイタキ発電所で1728メガワット、クルサ発電所では752メガワットを発電している。北島では、ワイカト川近くの発電所が合計で1059メガワットの電力発電している。
国立水・大気研究所の水分学者のダニエル・コリンズ博士によると、「気象協会と水文協会共同の会議が最近クライストチャーチで開催され、この国の水力発電の未来についてよいニュースが発表された。南島と北島の水力発電方法のモデルから、北島では干ばつや発電量の減少があったにもかかわらず、南島では、気候変動の影響で発電量の潜在的な伸びの兆候が見られた。全国では、14メガワットの発電量の増加(設置キャパシティの約3%相当)があった。モデルは、需要パターンの変化(例えば、夏のピーク時の冷房使用など)や、高圧、直流の電力を、クック海峡のケーブルを通じ二つの島を運ぶ能力への影響を考慮に入れていない。ニュージーランド国内を強い偏西風が吹き、その影響で水源となるアルプスがかなりの雨量となる。これが気候変動予想からの信憑性高いメッセージとなっている。しかし、この兆候は北ではさほど現れていない。国全体を見ると、南島での発電量は、北島での発電量減を上回るだけの発電をしている。つまり、気候変動からの好影響と言ってもいい。」
カンタベリー―大学で地理学の名誉教授である、アンディ・スターマン博士は、「これからの数十年間での気候温暖化予測から、ニュージーランドはブドウ栽培には、都合よい涼しい気候をもたらすというニュースもあり、気候変動からプラスの影響を受けている」と述べる。
ワイン生産地のマールボロ、北カンタベリー、セントラル・オタゴに設置された気象観測の集中ネットワークからの情報も予測に取り入れられている。気候にそぐう種類のブドウを栽培するというのが、ブドウ生産地の課題だ。
「摂氏1‐2度の変化だと、”かなりタフな“ソーヴェニョン・ブランのブドウにはさほど影響ない。同様の気温変化は、温度変化の許容範囲が狭いピノ・ノワール種のブドウにはきつい。ということは、ほんの少しの気候変動でも、準備すべきことはある。しかし、まだ時間は十分ある。ブドウは30年先を見越して栽培する。その30年後に、残すブドウと、引きぬいてしまうブドウがある。だから、今後数十年間で、よく計画を立てる事だ。」とスターマン博士は言う。
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