NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
29.07.2019
質より量:2019年の収穫量は少量でも、“最高級”のヴィンテージ

例年より暖かめの夏ということもあり、今年のニュージーランドのワイン生産地は収穫量としては伸び悩んだが、素晴らしいブドウの収穫年となった。

「収穫量は当初予想されていたより少なかったが、収穫されたブドウは過去数年の中でも数段上回る質だった。今年の夏は全般的に雨量が少なかったため、ブドウは傷もなくきれいに成長することができた」、とはフラミンガム・ワインズの栽培者のジェームス・ボースキル氏の弁。

フラミンガム・ワインの本年の収穫量は623.8トンとなり、なかでもピノ・ノワール種が一番減量という結果になった。「完熟近くまで待っての収穫を常としているので、この天候状況はフランミンハム的にはうまく働いた。だから、収穫量がいつもより少ないというのは、さほど問題ではない。だが、気温が高過ぎ、乾燥しすぎていたので、マールボロの最高水準となる年ではなかった」と、ボースキル氏は言う。

マールボロ地方の全体のブドウ収穫量は305,467トンでこれはニュージーランド全体の76.6%を占めてはいるが、昨年より全体として2%減となっている。 今シーズンは予想より少ない413,000トンのブドウが収穫されたが、質的には「例外的な」素晴らしいさとなった、と称されている。結果的に収穫量は昨年より6000 トン減。

ワイン・マルボロ―のマルカス・ピケンズ部長は、「収穫前にワイン業界が必要だと言っていた量は、全て提供できる状態だ。私の耳に入る限り、今年の収穫にはとても満足、というコメントを聞いている。収穫されたブドウがワインと言う最終製品になってからの状態はまだテストされてはいないが、高品質の今年の収穫は、最高級のワインとなるだろう」と、ピケンズ氏は希望的観測をしている。「収穫量が減量となったのは、収穫期間中に世間が予想していた事とは違っている。もっと多く収穫できると思っていたようだ。収穫量の少なさは、ワイン会社の中には足かせとなるところもあるかもしれないが、業界全体として影響はさほどない」、ともピケンズ氏は述べている。

ニュージーランドのワイン生産者団体の最高責任者のフィリップ・グレガン氏は「どの年のヴィンテージも異なるが、今年ボトルに入れるワインの質には非常に満足しているとワイン醸造家たちは一応に言っている。2019年ヴィンテージのワインは世界中のワイン消費者には喜んでもらえるものになると自信を持っている。高品質のブドウ収穫は輸出量の継続的な成長もありワイン業界には非常に素晴らしいニュースだ」と、述べている。昨年の輸出成長率は4%で、歳入ベースでは17.8億ドルに達した。「ニュージーランド・ワインはプレミアム・クオリティとイノベーションとしての国際的な名声を持っている。」
2019年の収穫は3年連続で、予想より少量の収穫となり、売り上げにも影響がでるとみられている。2017年と2018年に少産出量となった年には、ワイナリーは製品不足に対処せざるを得なかった。
「今年の予測を下回る収穫量は、全体的に供給量と需要にテンションを生むことになるだろう」と、グレガン氏は言う。

マールボロの収穫は暖かい天候でブドウがいつもより早く熟したことで、通常の年より10日早く開始した。早めの収穫ではあったが、ブドウは非常に良く成長してキャノピーも大きくなった。

ペルノ・リカール・グループに属すワイン醸造家のジェイミー・マーフェル氏は、今年の収穫を「かつてない収穫」と表している。ボースキル氏は「フラミンガムの収穫は早かった。通常は他より遅い収穫を3月末ごろするというスタイルを取っていたが、今年の収穫は3月4日から開始された」と述べている。

ワインはニュージーランドの第6番目の輸出製品で、現在100か国以上に輸出されている。

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