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マールボロの下水システムを利用して工場廃棄物処理をする企業は、今年からかなり大幅な処理費用を課せられることになりそうだ。
マールボロ地域議会が昨月発表した報告書によると、料金見直しの作業で工場廃棄物関連料金が20%上昇となる業種もあるとの予想が出た。しかし、今週になって、議会広報担当官は「現段階での数字は出発点の数値であり、変更の可能性もある」、としている。
ニュージーランドワイン生産者協会の持続可能担当の役員は、「工場廃棄物料金の上昇はマールボロのワイン業界には、2050年までに埋め立て地へのゼロ廃棄を達成するには良い刺激となるだろう。今回の行政決定はよい事だと思う。これが刺激となり、業界は自社の廃棄物管理改善となるような潜在的解決策を模索することになる。根底となる考えは、使用する資源を軽減できるか、レサイクルや再使用が可能かとなるかであり、これは廃棄物軽減の文献にもよく見られる「R(リデュース、リユーズ、リサイクル)の基本姿勢だ。当協会ではワイン業と協力し、製品の全ライフサイクルをそ生産過程から製品が使われた後までのプロセスをひとつとして念頭におき、日夜研究をしている。マールボロ地域はワイン地域としての重要性があり、当協会も議会と協力していく。処理費用の上昇には驚きはなかった」と言う。
議会の報告書によると、工場廃棄物処理費に現在126,500ドルを支払っている中規模ワイナリーは、約21%の処理費用増加となり、年間27,000ドル現在より多く支払うことになるという。
小規模ワイナリーの平均処理費用の増加は13%程度と見られている。マールボロのある食肉処理会社の概算では、最も少ない9%の上昇率だが、それでも年間約28、000ドルほどの上昇となるものと予想されている。
この報告書を発表した議会の運用・保守エンジニアによると、現在の料金体系は、工場廃棄水が処理されるブレナムの処理工場の改修工事の経費を取り込んでいない、とのこと。工場廃棄物は増加傾向にあり、中でもマールボロのブドウブドウ栽培業界からの廃棄物が大半を占めている。
2018-2028年の長期計画では、ブレナムの下水処理工場は需要上昇に伴う改修が必要となっており、それには約960万ドルの費用が必要との見積もりだった。この処理工場はブレナム、レンウィック、リバーランズ、クラウディ・ベイ産業地区のゴミ処理を執り行っている。
2008年にワイン収穫が危うくなりかけていた時にこの処理場は改修工事され、2013年に再度1700万ドルをかけての工事が行われた。
工事終了が前回の処理費用上昇と同時期だったが、その後の料金は再検討はされたが、2018年には変更されなかった。