NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第106回コラム(Jul/2011)
この夏、東京で一番贅沢な夜“Sparkling & Sweet Wine Night”
Text: 吉武亜季子/Akiko Yoshitake
著者紹介
吉武亜季子
Akiko Yoshitake
東京都出身、東京在住。広告関連企業に勤めるワイン愛好家。 ニュージーランドの友人からお土産にもらったピノ・ノワールのおいしさに感動して、NZ旅行を決意。2週間かけて5つのエリア/約20ヶ所のワイナリー巡りを実施。現在、ワイン学校にも通いながらブルゴーニュや新世界ワインの勉強を進める傍ら、都内で開催される各種ワインイベントへ積極的に参加。趣味はサーフィン、旅行。
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きびしい暑さが続く7月の東京、夜景とともに私たちのからだと気持ちをいやしてくれる、文字通り“泡”と“甘~い”ワインイベント「Sparkling & Sweet Wine Night」が開催されました。主催は、東京ワインコンプレックス。場所は、 汐留シティセンター42Fの“The OREGON Bar&Grill”。仕事帰りの人々、多くのワインファンで賑わいました。
この日は、20社以上のワインインポーターより、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、日本・・・など様々な国のワインが提供され、イベントタイトルの通り“この夏、東京で一番贅沢な夜”となりました。
さっそく、“涼”をもとめ、きりっと冷えたスパークリングワインを探しに。まずはニュージーランドのおとなりオーストラリアのスパークリングから。ニュー・サウス・ウェールズ州の「ORGANIC ONE Blanc de Blanc」をいただくことに。シャルドネによるクリーミィでハチミツのような心地よいスパークリング。ニュー・サウス・ウェールズ州といえども、冷涼なヴィクトリア州に近い産地とのことで、納得!
そして、英語圏つながりで次はイギリスへ。なかなかいただく機会がない英国ワイン。ロンドン南で生産されている「RIDGEVIEW」という英国スパークリングをいただくことに。ここは、シャンパーニュ製法で、かつシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種をブレンド。シャルドネが多いブレンドとピノ・ノワールが多いブレンドを提供。私はシャルドネメインのスパークリングを、白ワインプレートお食事と一緒にいただき、なかなかステキなコンビネーションでスタート。
スパークリングワインですっきりしたところで、本命ニュージーランドワイン探索へ。
まずは、ゴーディアン ワインズさんが提供する「WAIPARA SPRINGS Reisling」の2010と2009を飲み比べることに。2010はほどよい酸ですっきり飲みやすいリースリング、2009はパワフルな香でしっかりした味わいと、違いも大きく興味深かったです。名前の通り、こちらのワイナリーの産地はワイパラ、クライストチャーチ近郊からのもの。昨年のニュージーランド旅行で訪問した際、ワイナリーのおばちゃんが収穫したてのブドウ(ピノ・ノワール)を食べさせてくれたのを思い出しました。
つづけて、ミナト・ワイン・インポートさんのブースへ。
こちらでは、ニュージーランドの様々な地域からのワインが提供されていました。
特に印象的だったのは、ネルソンの「Greenhough Vineyard & Winery(グリーノフ・ヴィンヤード) 」のリースリングと、「Vinoptima Estate(ヴィノプティマ・エステート)」 のゲヴェルツトラミネール。※いずれもヴィンテージは“2004”。
「Greenhough Vineyard & Winery(グリーノフ・ヴィンヤード) 」のリースリングは、ステキな香りに包まれた、ほのかに甘口なワイン。そして、 「Vinoptima Estate(ヴィノプティマ・エステート)」 のゲヴェルツトラミネールは、ライチの香りがしっかり漂う華やかなワインでした。
特に、遅摘みワインの方は、さらに濃厚さも増し、その甘さも、夏のつかれをいやしてくれるようでした。
私はいままで、白といえば、ソーヴィにヨン・ブランとピノ・グリファンだったのですが、リースリングとゲヴェルツもファンに。また、先日、受講したニュージーランドワイン講座でも年々、ニュージーランドのアロマティック品種の期待度が増していると習ったばかり。さっそくこの日はそんなシーンに遭遇したようです。
会場では、“面白い“ワインにもいくつか遭遇しました。
たとえば、“お休みになる前に飲むといいですよ”といわれたワイン・・・・
アメリカ カリフォルニア州ソノマ・カウンティから「DASHE Zinfandel “Late Harvest”
そう、ジンファンデルの極甘口ワイン。ものすごーくコクのある甘口なワインでリキュールを思い出すような味。確かに、このワインをいただいた後は、そのまま眠りにつきたくなるかもしれません。
また、同じくアメリカからは、女性ワインメーカーによるかわいらしいボトルデザインの「Girly Girl Wines」も。
各ワインには、Chroe(クロエ)やMia(ミア)といった“女性の名前”がつけられています。また、ボトル裏には、“彼女”から語りかけられてくるストーリー付きといった演出も。ちなみに、メルローの“Kayla(ケーラ)”は、ピンクリボン付にもなっていました。
最後の〆は、老舗ドイツワイン2種で。
一つ目は、ドイツ ラインガウからのピノ・ブランによるゼクト。きめ細かいあわ立ちが落ち着きました。二つ目は、同じくラインガウからのリースリング・カビネット。ほのかな甘みが心地よいワイン。
新世界から始まったワインの旅、最後は旧世界にもたどり着き、本当に“贅沢な夜”になりました。