NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第150回コラム(Jan/2015)
夏の思い出
Text: 杉山奈穂/Naho Sugiyama
杉山奈穂

著者紹介

杉山奈穂
Naho Sugiyama

1999年にワーキングホリデーでニュージーランドを訪れ、数々のワインと出会いニュージーランドの虜に。日本に帰国後、美容職を経て2009年から移住。ウェリントン→ギズボーンと移りオークランドに定住。2回の出産を経てようやく我慢していたワインを楽しめるようになりました。休暇にはワイナリー巡りを楽しんでいます。大好きなニュージーランドの自然、匂い、人、最高のワイン達と共に幸せな日々を過ごしています。子育てをする主婦目線でニュージーランドの近況、自然、そして日常生活とワインの関わりを楽しくお伝えしていきます。

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今年のニュージーランドの夏は本当に暑い!暑い!暑い!そして、天気は快晴続きで我が家のお庭の花や草木たちは毎日喉がカラカラ状態です。陽が落ちると庭の花や草木に水撒きをするのが日課になり、小さな成長を見るのが毎日の楽しみでもあります。

少し前まで、ニュージーランドでは日本と同じように手軽に楽しめるいちご狩りが最盛期でした。日本でのイチゴ狩りは、手摘みできる範囲や時間が決められていて、その中でイチゴ狩りを楽しむようになっていますが、ニュージーランドのイチゴ狩りは日本と違っていて、広いいちご畑のどこのいちごを摘んでも良く、時間制限もありません。そして、自分達が摘んだいちごの重さに応じて代金を支払うシステムになっています。大きなバケツのようなものが用意されていて、何時間でも小さなお子さんから年配の方まで会話を弾ませながら、ゆっくりと楽しむことができる夏の大イベントになっています。

いちごの大人の楽しみ方には、いちごを適当な大きさにカットしオシャレにシャンパン・グラスに入れ、好みのシャンパンを注ぎます。そのシャンパンはほのかにいちごの香りがして、またいつもと違ったシャンパンのテイストを楽しむことができます。是非、パーティーなどで試してみてはいかがでしょうか。

ニュージーランドでは夏になりますと、あちらこちらでボートを目にします。私の周りにも、自家用ボートで毎週末のように海へ出掛ける友人がいます。ニュージーランドでは、約20%(10人に2人の割合)の人がボートを所有している程です。

つい先日友人のボートで、釣りやジェットスキーを楽しんできました。そのとき釣ったお魚は、体長約40センチのスナッパー(真鯛)です。ニュージーランドではスーパーマーケットにてお魚を一匹まるごと購入も出来ますし、切り身をパックで購入できるようになっています。今回釣ったスナッパーは、スーパーマーケットやお魚屋さんで購入すると約20ドル(1700円位)前後でしょうか。

私がスナッパーを料理するときに、好んで行う方法があります。

レモン、レモングラス、カフェライムリーフ、お好みの野菜(玉ねぎ、にんにくなど)の材料を用意し、その材料を魚の内臓が入っていた辺りに詰め、調味料としてレモンジュース(大3)、フィッシュソース(大3)、砂糖(大2)をお魚の上からかけて170度のオーブンで30分ほど焼いて出来上がり……という非常に簡単な料理方法になります。調味料は、お魚の大きさで多少分量が変えますが、これらを用意するだけで、メインディッシュの完成になります。

出来上がりのお魚の味はレモンやハーブなどでお魚の臭みが消され、本当にお魚そのものの味が引き出されシンプルですが、とても美味しくて病みつきになる味になっています。このお魚の料理と一緒に頂いたワインは、私がHawke's BayのElephant Hill(エレファント・ヒル)を訪れたときに購入したSauvignon Blanc 2013 (ソーヴィニヨン・ブラン)です。このワインの感想は、口にしてまず初めにフルーティー(柑橘系、パッションフルーツ)な香りと味わいです。そのあと、ライムのような酸味が口いっぱいに広がります。シーフードに良く合い、お魚料理とも抜群の相性になります。是非みなさんにも、このお魚料理と一緒にニュージーランドワインを試して頂けたらと思っております。

今回私がお魚料理と頂いたワインのワイナリー、エレファント・ヒルは広大な土地に果てしなく続くブドウ畑。そして、緑色が光るブドウ畑の中に粛然と建つハイセンスなレストランとテイスティングエリアは、このまま時が止まっていてほしいと願うぐらい優雅な時、充実した休日を過ごすことができるワイナリーになっています。普段のときより、少しオシャレをしてお出掛けることをおすすめします。また、私はテイスティングエリアに設けられているラウンジで、エレファント・ヒルのセントラル・オタゴ ピノ・ノワール2011も試してみました。ジューシーなベリー系のアロマ、ブラックチェリーと、ほのかなストロベリーの味わいが特徴的でした。

そのとき、ワインと一緒にラウンジメニュー(ラウンジで頂くことができるおつまみ)の中からチーズ(ブルーチーズ、ゴーダチーズ)の盛り合わせを選びました。盛り合わせにはチーズの他に、アーモンド・ブレッドやフルーツ、スモーク・アーモンド、などが添えられていて、とても豪華な印象でした。アーモンド・ブレッドにチーズとフルーツ・ペーストのコンビネーションがワインととても良く合い、美味しく頂くことができました。

レストランでは、各種ワインそれぞれに合うランチ、ディナーメニューが用意されていて、ブドウ畑を見渡しながらどっぷりと自然を感じられる空間になっています。ゆっくりとした時間の中でワインを思う存分楽しめるそんな素敵なワイナリーでした。

ニュージーランドの夏は、心が弾む季節です。ニュージーランドでのいちご狩りや、水着、釣り道具をもってボートで釣り三昧はいかがでしょうか。お土産に摘みたてのいちごに新鮮なお魚、そしてキリっと冷えたシャンパンとワイン。晴天の中での一杯は、最高な御褒美になります。是非、現地ニュージーランドで最高なワインと一緒に、夏の素敵な思い出作りを楽しんで頂けたらと思っております。

2015年2月掲載
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