NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第153回コラム(Apr/2015)
ニュージーランドの大自然とワイン
Text: 杉山奈穂/Naho Sugiyama
杉山奈穂

著者紹介

杉山奈穂
Naho Sugiyama

1999年にワーキングホリデーでニュージーランドを訪れ、数々のワインと出会いニュージーランドの虜に。日本に帰国後、美容職を経て2009年から移住。ウェリントン→ギズボーンと移りオークランドに定住。2回の出産を経てようやく我慢していたワインを楽しめるようになりました。休暇にはワイナリー巡りを楽しんでいます。大好きなニュージーランドの自然、匂い、人、最高のワイン達と共に幸せな日々を過ごしています。子育てをする主婦目線でニュージーランドの近況、自然、そして日常生活とワインの関わりを楽しくお伝えしていきます。

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皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。

こちらニュージーランドでは、デイライト・セービングス/ Daylight Savings(主に夏の期間、太陽の出ている時間帯を有効に利用する目的で標準時間を一時間進める制度)が終了し、吹く風の中に冬の気配が感じるようになりました。長袖を着用する人が、ちらほらと出てきています。

さて今回、私が注目したのは、「Eco/エコ」「Organic/オーガニック」です。ニュージーランドでは、このエコ/オーガニックという言葉をよく見聞きします。

ニュージーランドは、美しく広大な自然環境が自慢の一つでもあります。ニュージーランドの人々は、リサイクルや環境に優しい商品を使用したりなど、環境をきれいに守ろうとする意識がとても高く感じられます。

そして、環境のためだけではなく日々の生活のためにも安心・安全な物を取り入ようとする人が多く、エコ/オーガニックというものが普段生活する上でとても身近なものとなっています。

先日、Eco dayという環境イベントを訪れました。これはEcoMatters Environment Trust主催で、環境をきれいに、そして健康に過ごすためにはどのようなエコ生活に取り組んだら良いのか、多くの人に知ってもらうイベントになっています。

ソーラー電気、水、食べ物……など、沢山のブースが用意されていて、それぞれのエコ商品がどのように環境に良いのか、健康に良いのか、丁寧に説明して頂きました。このような取組みが、人々のエコ/オーガニックへの再認識、そして、エコ意識を高めているのです。

ニュージーランドでは、エコ/オーガニック商品をスーパーマーケットなどで簡単に手に入れることができます。

生活で使用するものであれば、例えば、調味料、牛乳、卵、コーヒー豆、オリーブ油……など口から取り入れるもの、それ以外では台所洗剤、洗濯洗剤など直接口にはしないものなど、スーパーマーケットで購入する際にニュージーランドではエコ/オーガニック商品のものやそうでないものと、消費者が選択出来るようになっています。

また、より幅広いエコ/オーガニック商品が欲しい時は、専門のオーガニックショップで購入できます。

まず、環境のために考えられている商品には、Enviro markやenvironmental Choiceなどのマークが表示されています。このマークは、どのように環境に良い商品を作るのか生産方法の特定、環境に対する法律の整備、コストなどの指導がされているということが分かります。

そして、オーガニック商品を購入する際に、確実にオーガニック商品だと信用できる証明としてオーガニック認定機関「BioGro」のロゴマークが表示されています。どの商品も、このBioGroから認証されるまで厳しい規定と審査があります。その規定と長い年月経てBioGroの審査を合格した商品にだけ、BioGroマークが表示することが許されているのです。

このBioGroマークが表示されているワインも、スーパーマーケットやワイナリーで身近に購入することができます。

私の自宅から車で約10分、美味しいオーガニックワインを購入できるARTISAN/アーティザンというワイナリーがあり、そこでは、BioGroのロゴマークが表示されているワインがあります。このワイナリーは、ニュージーランドの北島の西オークランド、Oratia(オラティア)という地域にあります。オークランドの都心部から車で約25分という近さ。

ARTISANワイナリーは、ワイン、オーガニックワイン共に数々の賞を獲得。ここでは2012年以降のヴィンテージは、全てがオーガニックワインとなっており、他では購入できないワインもここで手に入れることができます。

ワイナリー入口から、美しく広がるブドウ畑が私達をお出迎えしてくれ、レストランでは、ゆっくりワイン+ランチを楽しめるとローカルから大人気のワイナリーです。レストラン兼テイスティングエリアは室内・室外と設けられており、小さなお子さん連れのご家族にも気兼ねなくワイン、そしてランチを楽しめる空間となっています。

今回、私は4つのワインテイスティングをしました。「Marlborough Sauvignon Blanc 2012」、「Nelson Pinot Gris 2014」、「Oratia Flora 2011」、「Marlborough Pinot Noir 2012」です。

なんと言っても、4つ全てオーガニックワイン。自然に拘り、拘り抜いたワインです。どれも私好みのワインでしたが、その中でもMarlborough Pinot Noir 2012、そしてMarlborough Sauvignon Blanc 2012はお土産に購入したぐらい気に入りました。Marlborough Pinot Noir 2012は、ミディアムなタンニンと木のテイスト、森の木々を感じさせる香りです。

Marlborough Sauvignon blanc 2012は、強いパンチの利いた酸味が印象的です。

珍しいのは、Oratia Flora 2011、これはゲヴュルツトラミネールとセミヨンを掛け合わせたワインで、目の前にあるブドウ畑から収獲され作られています。フルーティーな甘さで、ワインがあまり得意でない方でも気軽に挑戦できる軽いテイストとなっています。

BioGroマークをワインラベルに表示できるようになってから、私達のワインを今まで以上に自慢できるようになったとARTISANのマリーナさんはおっしゃっていました。そして、ニュージーランドの自然を大切にするイメージと、そしてエコ/オーガニック思考のみなさんの期待に答えることができて、とても嬉しいと笑顔で説明してくれました。

是非、皆さんもニュージーランドのオーガニックワインそして、エコ/オーガニックについて触れてみてはいかがでしょうか。

2015年5月掲載
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