NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第48回コラム(May/2007)
ブドウ収穫方法のいろいろ
Text: 加藤しずか/Shizuka Kato
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- #セントラル・オタゴ
- #ウィザー・ヒルズ
私は、澄みわたる青空とピンとした新鮮な空気、すれ違う人たちと目が合えば必ずといっていいほど笑顔がこぼれてしまう、このニュージーランドの南島にある、セントラル・オタゴのクイーンズタウンで、ワインを飲み始めるようになりました。(現在は北島のギズボーンの専門学校でワインの醸造の勉強をしています。)
ワインって、どうしてこんなにおいしいのでしょうね。
男性にも女性にも好かれ、いくつになってもおしゃれに、そして、気軽に飲めるのがワインでないでしょうか?
ランチを食べながら、夕食前にグラス・ワインで喉を潤しつつ料理を作りながら、食後に暖炉を囲みながら、なぜか口にしたくなる、それがルビー色でやさしい味のピノ・ノワールやちょっと渋めのシラー、甘いデザート・ワインだったらそのひとときが一層楽しめます。そんなワインの元となるブドウに感謝です。
ワインはそのままで食べてもおいしいブドウから出来ます。今回は、そのブドウの収穫の仕方についてお話したいと思います。
収穫する方法は、手で摘む方法と機械で摘む方法があります。ワイン醸造家達は、大切に育てられたブドウたちが、なるべく低ダメージかつ低温で(腐敗を防ぎ、質を保つため)ワイン工場へ運ばれるように、いずれかの方法を選びます。
手で摘む方法での利点は、はさみで茎からブドウを刈り取るので、ブドウを傷つけるのを最低限に抑える事ができます。それに、まだ十分に実っていないブドウや、病気にかかっているブドウを一番早い収穫の時点で区別することができます。
逆に不利な点は、その短期間のための労働者が見つけにくい事、例えばウィザー・ヒルズ・ヴィンヤードは今年、ピノ・ノワール300トンを40人~50人の手で、約3週間にわたって収穫しました。そのほか、気温の高い日中にしか収穫ができないという点です。また、切れの良いはさみを使うので、間違って手を切ってしまうというハプニングが多発します。
また、機械で収穫する利点は、夜の作業が可能でより迅速に、時間帯やスピードをコントロールできます。しかし、ブドウへのダメージが高まり、ブドウ自体の質の状態を見分ける事が不可能になってしまいます。
また、ニュージーランドでは地域によってピッカー(収穫者)の人種が違うのも、面白いところです。ここギズボーンでは、ニュージーランドの原住民であるマオリ族が多く、セントラル・オタゴ地方では、旅行中のヨーロッパ人、サウス・アメリカ人が多く見られます。
ニュージーランドはワーキングホリデーというビザがあって、ある条件を満たせば、さまざまな国の人がニュージーランドで働くことができます。ヨーロッパのある国では、ニュージーランドで農業関係の仕事だけに従事する事が許可されている人たちもいます。ニュージーランドのブドウ畑では、世界各国からやって来た旅人など、いろいろな国の人たちが働き、彼らの手によって収穫されているのです。
ラベルの後ろを読むと、hand picking(手摘み)で収穫されましたと、説明が書いていることがあるので、購入するときの参考にしてみてはいかがでしょう。