NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第97回コラム(Oct/2010)
Tokyo Wine Complex“World Wine Fair 2010” 参加レポート
Text: 吉武亜季子/Akiko Yoshitake
吉武亜季子

著者紹介

吉武亜季子
Akiko Yoshitake

東京都出身、東京在住。広告関連企業に勤めるワイン愛好家。 ニュージーランドの友人からお土産にもらったピノ・ノワールのおいしさに感動して、NZ旅行を決意。2週間かけて5つのエリア/約20ヶ所のワイナリー巡りを実施。現在、ワイン学校にも通いながらブルゴーニュや新世界ワインの勉強を進める傍ら、都内で開催される各種ワインイベントへ積極的に参加。趣味はサーフィン、旅行。

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東京ワインコンプレックス主催の“Word Wine Fair 2010”が、2010年10月21日、東京デザインセンター・ガレリアホール(東京・五反田)で開催されました。

このイベントは、20社にもわたるインポーターさんの最新ワインが、世界12カ国より400種以上試飲できてしまうという、まさしくワインファンにはたまらない“Mega Event”。そして、ワインファンはもちろん、ワインファンならずとも、お食事つきのイベントなので飲んで食べてとしっかり楽しめるイベントです。また、白ワイン用プレートと赤ワイン用プレート…とワインにあわせてそれぞれいただけるのもさらにうれしいですね。

ちなみに、20社のインポーターのうち、アプレヴ・トレーディング、カミマル、ヴィレッジ・セラーズ、オーシャン・ワイン、ゴーディアンといった5社がニュージーランドを扱っているとのこと。もちろん、ニュージーランドワインを中心にテイスティングすることにしました。

さて、今回は2回目の参加ということで、前回の反省をもとに、しっかりペース配分しながらテイスティングを進める心構えと準備から。ちなみに前回の反省とは、すごい勢いで試飲を進めてしまい、もれなく酔っ払いすぎてしまったこと。当時、自分はワイン学校にも通い始め、かつニュージーランド旅行を控えていた時期でもあったことから、この規模に大興奮してひたすら突っ走ってしまったのです。

ということで、酔い防止(=少しでも酔いを遅らせるためのコントロール)のためにも、ワインを手に取る前にまずは白ワインプレートのコーナーへ。まずはおなかの中に何か入れて…という“準備”から。そして、ピックアップしたのは、アオテアランギさん(東京・恵比寿)のプレートでした。

私にとっては、今回はニュージーランド旅行経験後ということもあり、ニュージーランド産のチーズや蜂蜜はもちろん、グリーンマッスルも大集合しているこちらのプレートを、日本でもいただける“ありがたさ”と“ぜいたくさ”を感じると同時に誇らしくもありました。世界中からワインが集まっている中、ニュージーランド料理がこの場で代表選手として活躍しているようにも見えたのです。“ニュージーランドやるなぁ!”と心の中でつぶやき、開始早々から気分も高まります。

プレートを手にしたところで、ニュージーランド白ワインを求め、会場2Fへ向かいました。ニュージーランドワイン大集合エリアで、まずは、アプレヴ・トレーディングさんのブースへ。今回は新しく入ったばかりというオススメの「SQUAWKING MAGPIE(スクウォーキング・マグパイ)」のピノ・グリをいただくことに。また、ヴィンテージも2010とまさに今年。

私が今年ニュージーランド旅行していたのは春ですが、ちょうどニュージーランドでは収穫シーズンだったので、その頃に収穫されたブドウが早くもこんなに美味しいワインとなって日本にやってきたと思うとなんだかうれしくなりました。自然の恵みとワイナリーの方に感謝。また、こちらのピノ・グリは、シャルドネのイメージが強いホークス・ベイとのことで、それも意外でした。

続けてお隣のカミマルさんのブースでは、「ALLAN SCOTT WINE(アラン・スコット・ワイン)」が…。ニュージーランド旅行中、マールボロの「ALLAN SCOTT」のセラー・ドアへ訪問したのですが、そこではテイスティングリストにはなかったスパークリング「Les Joues Rouges(レ・ジェ・ロジェ)」をいただくことに。100%ピノ・ノワールで作られたスパークリング・ロゼで、とても飲みやすいワインでした。うっかり“泡”をスキップしてしまったスタートだったのですが、おかげさまで取り戻せました。

さらにお向かいのヴィレッジ・セラーズさんのブースでは、いよいよニュージーランドソーヴィニヨン・ブランの試飲へ。こちらでは、店頭などで見かけてはいたもののまだ試したことがなかったワイララパの「Matahiwi(マタヒウィ)」ソーヴィニヨン・ブラン‘09をいただくことに。マールボロとは異なる産地ですが、フルーティな味わいで私の好きなソーヴィニヨン・ブランでした。また、赤ワインプレートタイムに入ったあとにもいただいた、同じワイナリーのピノ・ノワールもマーティンボローのご近所なだけあって、ほかの産地よりも、ちょっと草木の香りがただよってきそうなエレガントなワインでした。

さらに、オーストラリア、南オーストラリア州マクラーレン・ヴェイルの「d’Arenberg Laughing Magpie Shiraz-Viognie ‘07(ダーレンベルグ・ラフィング・マグパイ ‘07)」をテイスティングしたところ、シラーズもヴィオニエもいずれも苦手な私が、不思議とブレンドされたこのワインはするする飲むことができ、どちらも苦手なのにブレンドすると思わぬ変化をとげることがあるんですね。おもしろい経験でした。

赤ワイン用プレートのピックアップの際、他国ブースにもちょっと立ち寄り。ハスミワインさんのブースで、白ワインで有名なモンラッシェからの、貴重な赤ワイン(全体の1割くらいしか赤はないようです)「Chassagne-Montrachet Vieilles Vignes ‘06(シャサーニュ・モンラッシュ ヴィエイユ・ヴィーニュ ‘06)」をいただきました。ブルゴーニュとあって、もちろんピノ・ノワール。繊細で素晴らしいピノ・ノワールでした。

そして本場の味をかみしめながら、いよいよニュージーランドピノ・ノワール巡り(私の中では、ピノ・ノワール祭り)へ。中でも、まっさきに向かったのは、オーシャン・ワインさん。

10月23日より公開されたニュージーランド人のニキ・カーロ監督作品「約束の葡萄畑」のイメージワイン「Waitaki Braids(ワイタキ・ブレイズ)」のピノ・ノワールが目的。とても口当たりのよいエレガントなワインでした。また、こちらでは、ワイパラの「Urlar(アーラー)」のピノ・グリ、ピノ・ノワールともに素晴らしく、私の新たなお気に入りリストへ追加されました。ちなみに、私は映画も観たのですが、1800年代のブルゴーニュでのブドウ栽培やワイン作りの様子を映像で見れたことが貴重でした。同時に、ブドウは大地や気候などの自然の恵みの賜物であること、そして、ワインが醸造家さんがとても苦労して、そして大切に作られているものだということを改めて実感しました。ワインはありがたくいただきたいと思います。

赤ワインプレート用メニューは、ピノ・ノワールにぴったりな鴨、そして赤ワイン煮込みという組み合わせで、ピノ・ノワールの試飲も満喫することができました。

また、会場内では、お客さん同士の情報交換も始まりました。私はアメリカの方(まさにカリフォルニア出身の方)から、彼が本日のベストだった!というカリフォルニアワインもオススメされることに。「Copain Pino Noir 2007(コパン・ピノ・ノワール 2007)」。うん、確かに!そして、お返しに私もニュージーランド赤ワインもオススメし…と楽しい時間は過ぎていくのでした。

フランスやイタリアワインを主に飲んでいる友人も、今回のニュージーランドワインは美味しいのがいっぱいあった~と彼女にも新しい発見があったようです。

帰り際、私をすっかりピノ・グリファンにしたきっかけワイン「Misha's Vineyard(ミーシャズ・ヴィンヤード)」が、NEW ZEALAND TOP20に入ったというニュースをアプレヴ・トレーディングさんから伺いました。前回のイベントで大ファンになったワイナリーさんであり、私のニュージーランド旅行中も、自らVineyardを案内していただいたところでしたので、とてもうれしかったです。Mishaさんのピノ・ノワールでニュージーランドエリアの試飲は閉めることに。

また、会場でアオテアランギさんにはニュージーランドワインメーカーさんの来日ディナーイベントも教えていただき、参加表明も。東京でのニュージーランドワインイベント参加はこれからも続きそうです。

2010年11月掲載
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